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三曽嶺の沼で髪を整えた姫

所在地福島県双葉郡富岡町(三曽嶺)
年代伝承
登場高津戸館のお姫様、遠藤勝巳、伝承者
出典富岡町史 第3巻(考古・民俗編)――昔話と伝説

どんな伝承か

大倉山と峰続きの山に三曽嶺と呼ばれる山があり、そこにびんだれという小さな沼がある。滅びた高津戸館の姫が、死出の旅の身支度をしたゆかりの場所だと伝えられている。落城の夜、ひそかに城を抜け出した若武者がいた。北党勢の探索は数日続き、姫の遺骸は見つからぬまま、三曽嶺で一人の落武者が捕らえられた。若年ゆえ雑兵かとあざけられたその者は、取り乱しては武門の恥として身支度の暇を乞い、藪へ姿を消した。やがて現れたのは、武者装束を解き、沼を鏡に髪を整えた高津戸館の姫君であった。姫は領民の安穏を願い、三曽嶺の露と消えたという。村人はこの沼をびんだれと呼ぶようになった。

原典より

大倉山と峰続きの山に三曽嶺とよばれる山がある。—— 富岡町史 第3巻(考古・民俗編)――昔話と伝説(富岡町(編)・富岡町史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

富岡町史 第3巻(考古・民俗編)――昔話と伝説(富岡町(編)・富岡町史)

『富岡町史 第3巻(考古・民俗編)――昔話と伝説』は、福島県富岡町の町史のうち考古・民俗を扱う巻で、ここにはその第九章「昔話と伝説」が収められている。昔話の節は昭和五十八年五月の福島県教育委員会による文化財基礎調査のまとめに町の既刊の話集から数編を加えたもので、麓山の白蛇や、大原の大吉・金平六など名のある狐の話が目立つ。伝説の節には朝賀城哀話、仏浜、戊辰戦争、鉱山、北風薬師などを収め、各話に伝承者の地区と名を添える。

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