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秋葉神社に立つ同姓同名の幽霊

所在地東京都墨田区向島(秋葉神社)
年代大正九年九月廿九日深夜
登場夜番、同名の文筆者金塚文哉
出典科学的教養

どんな伝承か

大正九年の九月末、向島須崎町で金塚文哉という男が、恋のもつれから芸者だった女を殺し、その場で自ら命を絶った。同じ月の二十九日の夜更け、現場から一町ほど離れた秋葉神社の暗い境内を夜番が通ると、白い着物の痩せた男がぼんやり立っている。誰かと問うと、落ち着いた声で金塚文哉と名乗った。驚いた夜番が人を呼んでくると、男は静かに動き、青い火を一条残して消えた。噂は広まったが、実は近所に住む同姓同名の文筆家が散歩中に名乗ったもので、青火は投げ捨てた煙草の火だった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・1948年(昭和23年))

『科学的教養』は、小泉丹が昭和二十三年に春秋社から刊行した、科学的なものの見方を説く評論である。精確さ・合理性・実証の面から科学的と非科学的の違いを論じ、河童の記録や呪いの効き目、『耳袋』の怪異談、狐憑き、幽霊・化物屋敷、人魂・鬼火・怪火を例に、日本人のものの考え方を検討する。昭和十七年に書いた前版を戦後に改稿したもので、序と起序に続く七章から成り、旧稿の終わりの二章を除いたと序に記す。

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