大磯宿で人の言葉を話した馬
どんな伝承か
名古屋の三好想山は、江戸から国へ帰る途中、ある十日の夕方に大磯を通り、そこで馬が人の言葉をしゃべったという話を耳にした。そこで、小田原から雇ってきた馬方の千之丞に、大磯宿のその家までわざわざ様子を見に行かせた。戻った千之丞の報告では、馬屋には注連縄が張りめぐらされ、法印が来て祈祷をしている最中だったという。想山はこの見聞を書き留めており、続けて平塚近くの村でも馬が口をきいた話を記している。
原典より
名古屋の三好想山が、江戸から歸國の時大磯を通ったのが十日の夕方で、そこで馬の人語のことを耳にしたので、…—— 動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1927年(昭和2年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1927年(昭和2年))
『動物界霊異誌』は、岡田建文(蒼溟)が昭和二年に著し、郷土研究社から出した動物怪異の記録集である。二十余年にわたって集めた体験や同志の報告から、動物にまつわる怪異の事例を選び、山陰地方を中心とする明治・大正の見聞と、近世の随筆に見える記事を収める。蝦蟇・猫・河童・狐・狸と貉・外道(人狐)・蛇などの動物ごとに、解説・事例・古人の記述の順に並べ、心霊の立場からの考察を加える。