河童が授けたつうふうの妙薬
どんな伝承か
河童は捕らえられたとき、詫証文を書くほかに、秘薬や秘術を伝えて許しを乞うことがあった。上伊那郡伊那の中村家が四十年ほど前まで売り出していた「つうふうの妙薬」も、河童から授けられた薬だと伝えられる。同じ型の話に、那珂郡岩瀬の真木家が牛久沼で拾った河童の指を返し、代わりに傷の万能薬の製法を得たという伝えがあり、その薬は岩瀬万応膏の名で今も売られているという。河童の秘薬伝授の話は各地に残る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。