三峰川で拾った狐の白毛の玉
どんな伝承か
狐の玉について書かれた古い記述の一つ。ある藩の藩士岡田某が、秋の末に網を持って三峰川のほとりを歩いていると、白い狐が浮かれたように右へ左へと跳ねて戯れていた。そっと近寄って網を打つと、狐は驚きあわてて姿を消した。跡を見ると光る玉が落ちていて、拾ってよく見ると白い毛で作ったもののようであったという。著者は、狐が大事にする玉には夜に光る白いものと光らない毛玉の二種があると述べ、その例としてこれを引いている。
原典より
跡を見れば光ある玉あり、拾ひ取り見れば白毛もて作れるが如し。—— 動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1927年(昭和2年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1927年(昭和2年))
『動物界霊異誌』は、岡田建文(蒼溟)が昭和二年に著し、郷土研究社から出した動物怪異の記録集である。二十余年にわたって集めた体験や同志の報告から、動物にまつわる怪異の事例を選び、山陰地方を中心とする明治・大正の見聞と、近世の随筆に見える記事を収める。蝦蟇・猫・河童・狐・狸と貉・外道(人狐)・蛇などの動物ごとに、解説・事例・古人の記述の順に並べ、心霊の立場からの考察を加える。