惣五郎を渡し印旛沼に身を投げた甚兵衛
どんな伝承か
新妻で聞かれた甚兵衛渡しの話。渡し守の甚兵衛という爺さんは、直訴に向かう惣五郎を舟で向こう岸へ送った。惣五郎は妻子に会うため夜にこちらへ戻り、夜のうちにまた向こうへ帰らねばならなかったので、甚兵衛は送っては戻り、再び乗せて渡したという。次に舟を出せば自分の命はないと承知していた甚兵衛は、その場で印旛沼に身を投げて死んだと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。