大蛇から主人を守り撃たれた狼の子
どんな伝承か
猟師が狼の子を見つけて育てると立派な犬になり、猟のたびに連れて行った。ある日、山奥深くで日が暮れたので崖の岩穴に入って一晩泊まると、夜中にその犬が体の上を跳び越え、自分に跳びかかるかと思うほどのすさまじい吠え方をした。山奥で夜露にあたって狼の本性が出たのかと思った猟師は、危ないというので猟銃で撃ち殺してしまう。ところが穴を出ようとすると、入口には大蛇が今にも呑もうと構えていた。猟師はその大蛇を撃ち殺して帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。