長い頭を回して応えた手水
どんな伝承か
成田の宝田で語られた馬鹿話。川津場という土地は、魚屋さえ足を運ばないほど奥まった開墾地だった。ある時そこに役人が泊まり、翌朝「チョウズを回せ」と命じた。意味の分からない村人が物知りに尋ねると、チョウズとは長い頭のことだと教えられる。そこで村中を探して頭の長い人を連れて来て、役人の部屋の前で頭を振って回させた。役人が早く手水をと急かすと、男は返事をして、また長い頭をぐるぐる回してみせたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。