屏風をおさよと思い込んだ婿
どんな伝承か
嫁を貰った婿が、座敷にある屏風の名を仲人に尋ねた。仲人は嫁の名を聞かれたものと思い、「おさよだ」と教えた。翌日、仲人が「昨夜はどうだった、寝心地はよかったか」と尋ねると、婿は「昨夜はおさよを寝せたり起こしたりして眠れなかった」と答えた。婿は屏風の名がおさよだと思い込み、一晩じゅう屏風を寝せたり起こしたりしていたのである。屏風を知らない婿の勘違いを笑う落とし話で、新妻の石橋ウメが語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。