すり鉢を三度洗った嫁
どんな伝承か
不器量な嫁がいた。すり鉢の底を三度ずつ洗えば顔のきれいな器量のよい赤ん坊が生まれると言われ、嫁はそれからすり鉢を三度三度なでて丁寧に洗うようになった。おかげでその家の台所はすっかりきれいになったという話が伝わる。子が生まれたかどうかは語られず、俗信を真に受けた嫁の熱心さと、思わぬところに出た効き目とを笑う短い話で、前話と同じ宝田の語り手が続けて語ったものである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。