三十三日目に形だけ植える苗開き
どんな伝承か
田植えの前に祝いを済ませてしまう地方も多い。山形県最上郡には、苗代に種をまいてから三十三日目に形だけの田植えをし、これを苗開きと呼ぶ村がある。本格的な田植えに先立って田の神を迎える儀礼で、苗や竹を田の神の依り代として立てる苗印の習俗と同じ信仰の表れとされる。
原典より
山形県最上郡では、苗代種蒔きから三三日目に、形ばかりの田植えを行ない、これを苗開きという村がある。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。