疫病を機に九月へ移した祇園祭
どんな伝承か
熊本県鹿本郡植木町今藤の祇園祭は、もともと京都の場合と同じく七月の祭りであった。ところが疫病の流行などのことがあって祭日をかえ、九月七日・八日に行なうようになったという。これも重陽の節供に切り換えたものといえる。ただし今日でも村の氏神の座祭りはもとのとおり七月五日・六日およびそれ以前の二日に執り行なわれており、九月へ移されたのはにぎやかな祇園祭だけである。
原典より
すなわち、もともと京都の場合と同じく七月の祭りであったが、疫病流行などのことから祭日をかえて九月七、八日に行なったという。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。