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東大寺の僧を攫った天狗の大入道

所在地奈良県奈良市(東大寺)
年代伝承
登場春舜坊、当事者、伝承者、天狗に浚われた東大寺の僧
出典日本の妖怪

どんな伝承か

奈良の東大寺に、二十年近く仕えてきた春舜坊という中年の僧がいた。学問や勤行に励んできたが出世は叶わず、朋輩から「古坊」と呼ばれても気にとめない心境に達していたある小春日和の日、経典の書写をしていると、柿色の法衣をまとった大入道が背後に現れ、いきなり衿首と帯をつかんで天空高く舞い上がった。東大寺の堂塔も村も山野もみるみる眼下に消え去り、気づけば山中の樹間の広場に据えられ、真っ赤な法衣の大入道たちが取り囲んでガヤガヤと相談する様子に、春舜坊はただ震えるばかりであったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・1973年(昭和48年))

『日本の妖怪』は、早川純夫が一九七三年(昭和四十八年)に著した妖怪史の読み物である。『出雲風土記』『日本書紀』から『日本霊異記』『今昔物語』、江戸の『新著聞集』などの随筆までの古典に記された妖異を、かかわりのある実在の人物や事件とともに古代から近世へ時代順にたどる。全八章で、引用は意訳を交えて『』でくくり、仏教談や霊験談、地方の民話はおおむね除き、第七章には江戸の見聞録から選んだ二十話を並べる。

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