空の輿で本葬を営む村ぐるみのカラダビ
どんな伝承か
木内は約八十戸のうち六十戸ばかりが、隣の虫幡にある天台宗清水寺の檀家で、この家々がすべてカラダビ式の葬法を行っている。本葬に先立つ内葬では、棺を舁ぐセンドウと喪主、ごく親しい者、時に僧侶も加わって墓地へゆき埋葬する。続く本葬では空の輿をセンドウ二人が舁ぎ、その前を位牌を持つ総領息子と枕飯を持つその妻が進み、総領娘が天蓋をかざす。旧寺院跡の広場へ着くと輿を台の上に据え、人々がその廻りをまわる六道廻りを行い、僧の読経と焼香があって本葬が終わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。