とび火の一言で放火犯と疑われたナオ
どんな伝承か
王仁三郎二十一歳の春、亀岡の北方の綾部の町で騒動が起こった。かねて奇矯な言動で「気狂い婆」と噂されていた五十六歳の老女が、頻発していた放火事件の重要参考人として警察に連行されたのである。「とび火がいたそうも知れんぞよ」という言葉を放火の告白と誤解した近所の者が密告したためだった。この老女こそ大本教の開祖・出口ナオである。ナオが住んだ綾部の本宮村は、犯罪者や不幸な者が集まる「呪われた村」と呼ばれ、陰鬱な空気の漂う場所であったという。
原典より
「…………とび火がいたそうも知れんぞよ」という部分を聞きつけた近所の者が、「“とび火”とは、きっとおナオさんが放火したからにちがいない」こう思いこんで警察に密告したためである。—— 出口王仁三郎の霊界からの警告――発禁「予言書」に示された破局と再生の大真相(武田崇元) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
出口王仁三郎の霊界からの警告――発禁「予言書」に示された破局と再生の大真相(武田崇元)
『出口王仁三郎の霊界からの警告――発禁「予言書」に示された破局と再生の大真相』は、武田崇元が著した、大本の出口王仁三郎の予言をめぐる解説書である。開祖出口ナオの神憑かりと王仁三郎の生涯をたどりつつ、日露戦争から太平洋戦争・敗戦に至る予言や、発禁とされた予言詩『瑞能神歌』、『霊界物語』の記述を取り上げる。予言と二度の大本弾圧を軸に歴史との符合を論じ、秘章で入蒙や出生をめぐる謎を扱い、巻末に年譜を付す。