赤飯か白飯かと問うヒチマジムン
どんな伝承か
ヒチマジムンも通り神の一つで、沖縄じゅうの辻という辻にいて人を迷わせるといわれる。山道では突風のように、川を渡るときは風に吹かれる枯葉のように現れ、国頭地方では、これに迷わされた者が一夜のうちに二、三十里も離れた所に捨てられていたという話がときどき聞かれる。出会うと必ず赤飯か白飯かと尋ね、赤飯と答えれば赤土を、白飯と答えれば海へ連れて行って波の泡を食わせるともいう。迷わされないためには、男ならふんどしを外して頭に鉢巻きにし、女なら腰巻きを頭からかぶるとよいとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河童・天狗・妖怪――民俗随筆(武田静澄・武田静澄・民俗随筆・1956年(昭和31年))
『河童・天狗・妖怪――民俗随筆』は、武田静澄が昭和三十一年に著した民俗随筆である。天狗と神かくし、河童、座敷わらし、山の神と山の妖怪、狐狸とつきもの、水辺や海の亡霊、死霊と御霊などをめぐる伝承を、『今昔物語』などの古典の説話と各地の民俗の事例から集めて語る。短い見出しを立てた小文を連ねる形をとり、神かくしにあう心理や幻覚、お化けの心理にも触れて、妖怪を信じる心のはたらきを考える。