服部時計店で浮いた卓子と抜けた腕時計
どんな伝承か
浅野和三郎は、卓子浮揚や物品引寄の霊媒として日本にも亀井三郎がおり、実験はすでに百回を超えると記す。昭和五年一月二十八日に大阪の心斎橋、服部時計店で行われた実験の記事から抜き書きされている。まず鈴や笛、喇叭、ハーモニカなど鳴り物が動いた。なかでも捕鼠器の中央に針金で吊るした呼子が鳴ったことは特筆される。器の周囲は和紙で貼り詰めて封印してあり、人の手では中の笛を鳴らせない仕掛けだったからである。次に夜光塗料の印を付けた卓子が二尺ほど浮き、上下を繰り返した。さらに麻縄で縛られた霊媒の手首から腕時計が抜き取られていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊研究とその帰趨(浅野和三郎・浅野和三郎・心霊科学・1934年(昭和9年))
『心霊研究とその帰趨』は、浅野和三郎が昭和九年に著した心霊研究の概説書である。昭和八年八月に浜寺海岸で開いた夏期心霊講習実験会のための稿本をもとに、人体のエーテル体、幽界・霊界・神界、霊媒と精神統一、幽霊屋敷、物質化・霊言・自動書記・霊視・物品引寄・心霊写真・直接談話などの現象を、欧米と日本の霊媒の例を引いて説く。緒論と十三章からなり、章ごとに参考書を挙げ、終わりの二章で心霊研究の教訓十五条と神霊主義の四大綱領を述べる。