対談の場で指を離して折れたスプーン
どんな伝承か
一九八六年四月、作家の宮内勝典と清田益章の対談は、東京・雑司が谷の竹寿司を会場に二日にわたって行われた。一日目の対話を終えると、清田はスプーンの首をさすってから指先を離し、柄の端を軽くつまんで目の前にかざしたまま念じた。数分ののち、スプーンはひとりでに折れたという。二日目の後にも、壁にもたれて目を閉じ気力をためてから、いつものように柄を百八十度ねじってみせた。同席した出版社の代表、和田禎男も見よう見まねでさすってみると、三十度近く曲がった。宮内を含め三人が試み、曲げられたのは和田だけだった。対談を本にすることを危ぶんでいた和田は、これで確信をもって出せると晴れやかに語ったという。
原典より
清田益章がスプーンをねじ曲げたり、指を離したまま折ってしまうのを、ぼくは四回にわけて合計五本、肉眼で目撃した。—— サイキの海へ――超能力をめぐる対話(清田益章・宮内勝典・清田益章・超能力・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
サイキの海へ――超能力をめぐる対話(清田益章・宮内勝典・清田益章・超能力・1986年(昭和61年))
『サイキの海へ――超能力をめぐる対話』は、宮内勝典と清田益章が一九八六年に交わした対談をまとめた本である。スプーン曲げで知られた清田の幼いころと超能力少年としての歩み、テレビ番組でインチキと報じられた事件、アメリカの大学での念写実験、病気治し、ロックや心理学への関心を率直に語り合う。宮内が出会いを記した序文に始まり、東京・雑司が谷で行った対話を小見出しで区切って収め、沖縄や石垣島のシャーマンに触れた宮内の結びで閉じる。