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大晦日に王子稲荷へ集う数万の狐火

所在地東京都北区(王子稲荷)
年代近世
登場歴史上の人物、甚五郎、呪術者、老狐に恨まれた神田三河町の男
出典呪術と占いの日本史

どんな伝承か

関八州の統領と仰がれた王子稲荷では、大晦日の夜に数えきれぬほどの狐火が現れるといわれ、近在から初詣を兼ねた見物人が押し寄せた。ひとつふたつと灯りはじめた火はやがて数万にふくれ、社頭へ近づいては引き返す往来を一晩じゅう繰り返す。あたりは恐ろしくも幻想的な光に包まれ、夜明け前には消え失せた。人々はその火の様子から翌年の豊凶を占ったという。江戸では狐が女に化けるとも信じられ、王子稲荷で男を見初めた老狐が夜鷹に憑いて近づいたという話も残っている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

呪術と占いの日本史(渋谷申博・瓜生中・呪術・占い史・1992年(平成4年))

『呪術と占いの日本史』は、渋谷申博・瓜生中が平成四年に著した日本呪術史の概説書である。縄文の屈葬や土偶、卑弥呼の鬼道から中世の呪詛、近世のおかげ参りと「ええじゃないか」を経て、明治の神仏分離と修験・祈禱の禁止までを、記紀や史書の記事と民俗の断片から拾い上げる。古代・中世二章・近世の四章を小項目に分けて立て、表の歴史に現れない民間信仰を「闇」の系譜としてたどる。

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