神木力松で鍛えた大関丸石
どんな伝承か
会津と伊達の両藩は角力の試合を慣例としており、両藩の仲が険しくなった年、緊張をほぐそうと伊達の城下で奉納相撲が催された。番付には西方大関に会津藩楊枝の丸石、東方大関に伊達藩お抱えの角石とあり、楊枝村は挙げて鎮守に悲願を込め、丸石は山の神木である力松の下で押しの稽古に励み、大幹が揺れるほどになった。出発の前夜、白衣の女神が夢に現れ、力だけでは勝てぬ知恵を絞れと告げた。試合は丸石の押しで一瞬に決し、丸石は繭買い商人に姿を変えて追手をまいて帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。