谷に身を投げた律師を受け止めた護法
どんな伝承か
『続古事談』巻四の巌間寺の条には、この寺の護法は熊野権現、金峯山の蔵王、白山権現、長谷寺の竜蔵権現であると記され、続いて、三井寺の叡効律師が谷へ身を投げたとき、護法が袖を広げてこれを受け止めたという不思議が語られている。密教や修験道で仏法を守る護法神と、それに従って働く護法童子が信じられていたことを示す例として挙げられている。
原典より
『続古事談』四、巌間寺の事の条には、「此の寺の護法は熊野の権現、金峯山の蔵王、白山の権現、長谷寺の竜蔵権現なり」とあり、次いで三井寺の叡効律師が谷へ身を投げたのを、護法が袖を広げて受取った奇蹟を記している。—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。