白狐を借りて安産を願うヤノイの稲荷
どんな伝承か
峠で語られた話。上の峠を越えた先の稲荷は安産の神様だといって、弁当を持って参り、お白狐さんを借りてきた。片方が巻き物をくわえ、片方は玉を持った、両方そろっていなければならないという。それを弁当の風呂敷に包み、腰に背負って帰ったものだ。毎日お白狐さんを飾り、朝は上げ物をして安産の祈願をする。無事にお産が済むとまた返しに行き、そのときは赤飯を詰めてお礼参りをしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。