雪の降る七日間の徹夜説教オタヤ
どんな伝承か
オタヤはオタイヤ(お逮夜)がつまったものである。置賜地方では、浄土真宗系の寺院で、十二月八日の親鸞上人の忌日の前七日間に行われる行事のことをいい、報恩講ともいう。南陽市荻は浄土真宗の多い部落で、この部落に「オタヤ」と呼ぶ行事がある。場所は南陽市宮内にある浄土真宗正徳寺で、もともと正徳寺は荻にあった寺なので、宮内に移転してからも荻との関係が続いている。説教は十二月二日から始まり、六日までは日中に堂に集まって聞くが、七日から八日にかけては徹夜して夜明けまで聞く。説教する和尚も十人ほどで、三十分ずつ分担して行った。オタヤには必ず雪が降ると言われ、ある年など大雪になり帰りに苦労したこともあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。