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五巻の経で角の落ちた大蛇

所在地岩手県奥州市(止々井の沼)
年代八月十五日(伝説)
登場佐用姫、大蛇
出典胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説

どんな伝承か

佐用姫は止々井の沼の四ッ柱へ向かった。笙を吹き鳴らして明神を招く神楽の調べが響くうち午の刻が迫り、姫は経文を抱き数珠をたぐって神床に座った。刻限を告げる鐘が鳴ると、にわかに万雷が光り雨を呼び、沼は荒れて波を掻き分け二十丈余りの大蛇が現れた。郡司義実をはじめ庄屋地頭は地に伏して念仏を唱えたが、姫は少しも恐れる気色がなく、生あるならばしばし待てと呼びかけた。そして一巻は父の菩提、二巻は母の祈祷、三巻は六道四生の回向、四巻は郡司夫婦の恩徳、五巻は提婆品と唱え、経典を読み流して大蛇に打ちかけた。仏の功徳に感応した大蛇は十六本の角が欠け落ち、元の長者の妻の姿に戻って手をついたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史)

『胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説』は、胆沢町の町史民俗編の一冊のうち、第四章「口承・伝説」を収めたものである。第一節は松浦佐用姫と高山掃部長者の伝説を扱い、胆沢・水沢周辺の伝説地を列挙したうえで、町内に伝わる佐夜姫の本地物の写本や『南部叢書』所載の「奥州胆沢高山実伝」を翻刻する。第二節「いさわの昔話」は大蛇・狐・むじな・飢饉・戦後の怪異などの話を番号順に並べ、第三節「いろいろな昔話」へと続く。

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経文大蛇済度成仏止々井神楽

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