山道で婆に追われた鯖売り源四郎
どんな伝承か
年の暮れ、馬に鯖を積んで正月用の魚を売り歩く鯖売り源四郎がいた。売れずに暗くなった山道で、後ろから「鯖売り源四郎、待ってろう」と婆様が追ってくる。魚を投げても馬をくれてやっても食い尽くし、なおも追うので、源四郎は池のそばの柳に登り、木を揺すって婆様を池へ落とした。逃げ込んだ山中の家の梁に隠れていると、濡れた婆様が戻って餅を焼き甘酒を沸かす。居眠りの隙にそれを平らげ、木のかろうどで寝た婆様を縄で縛って穴をあけ、煮湯を注いだ。夜が明けて見ると、正体は大きな古ムジナであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史・自治体史(民俗))
『船引町史 民俗編』第十一章所収の昔話と伝説。福島県船引町(現田村市)に伝わる口承を採録する。