髪を火にくべてはならぬ戒め
どんな伝承か
大阪で集められた言い伝えの中には、頭髪を火にくべると気が狂う、というものがあった。髪は身につけたもののうちでも特別に扱われ、粗末にすることを戒める形である。同じ並びには、天秤棒をまたいで渡ると親の肩に腫物ができる、身重の女が兎の肉を食べると兎唇の子が生まれる、といった禁忌も挙げられている。いずれも文部省が全国の小学校六年生を通じて集めた二万点ほどの資料のうち、大阪の三つの指定校から報告されたものの一部にあたる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年))
『日本の俗信 2――俗信と迷信』は、迷信調査協議会が文部省への第二回報告書として編んだ答申書で、まえがきに昭和二十六年十二月の日付がある。迷信の定義や時代性、俗信と生活慣習の区別を委員たちが論じ、食い合わせや守札、憑きもの、河童の名称の分布、迷信による殺人の精神鑑定例などを取り上げる。総論と座談会、各論、結婚・妊娠の迷信の解明、新聞の社説・投書を集めた附録の四章から成る。