五寸釘の丑の刻参り事件
どんな伝承か
昭和三十三年九月三十日の毎日新聞秋田版が報じた事件。六月八日の昼前、秋田市役所の小使堀英蔵さんが、片田部落の神社「大平山」裏の松の下で、同部落の斎藤松蔵さん一家四人と稲荷林部落の伊藤シオさんの、計五人の氏名と年齢を書いた紙五枚に五寸釘が打ち込まれているのを見つけ、斎藤さん方に知らせた。翌朝、長男が現場へ行くと、その妻キヨノが狂ったように祈っており、止めようとすると家に火をつけると脅した。取り調べで、キヨノは十九年前から松蔵さんと関係があり、五人を祈り殺そうとしていたことがわかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語)
『日本人物語5――秘められた世界』は、日本人の暮らしの奥にある秘められた信仰や伝承を扱った叢書『日本人物語』の一冊である。境の神や通過儀礼を論じる序論に続き、入らず山や隠れ里、竜宮、平家谷、埋蔵金、生まれ代わり、あの世を見た話、魔法使い、生霊、秘密結社、狐憑きなどを、伝承と昭和三十年代までの新聞記事・見聞を織りまぜて述べる。序論「生活文化の秘密性――はじめに」の後、「奇蹟」「不気味な神々」などの区分の下に短い節を並べる。