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大蛇を知らせて斬られた忠犬の塚

所在地広島県広島市安佐北区白木町大字井原(荒谷山)
年代天文二年十月中旬
登場樋爪四郎兵衛隆綱
出典高田郡史 民俗編――伝説

どんな伝承か

白木町井原の芸備線井原市駅の北、御天主山にはかつて樋詰城があり、戦国時代には樋爪四郎兵衛隆綱が城主だった。天文二年十月中旬、隆綱は飼い犬を連れて西北の荒谷山へ狩りに出た。中腹で休むうちにうとうと眠ると、犬が戻って袖をくわえて引き、しきりに吠えた。腹を立てた隆綱が犬を斬ると、犬は真っ二つになって道の下へ落ちた。その所を今も犬返しという。やがて目を覚ますと、足もとに大蛇がとぐろを巻いて鎌首をもたげていたので、苦心の末に斬り伏せた。犬は危険を知らせていたのだと悟った隆綱は深く悔やみ、僧を招いて供養し、墓を築いて松を植えた。その墓が犬が塚である。

原典より

そして墓には松の木を植えてしるしとしたが、今でもその墓を犬が塚とよんでいる。—— 高田郡史 民俗編――伝説(高田郡(編)・高田郡史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

高田郡史 民俗編――伝説(高田郡(編)・高田郡史)

『高田郡史 民俗編――伝説』は、広島県高田郡の郡史の民俗編のうち、伝説の部である。吉田町・美土里町・甲田町・八千代町・高宮町・白木町などに伝わる八岐大蛇退治、毛利元就の百万一心、弘法大師のいろは石、つきものを落とすというはりいぶきの枯木などの話を、土地ごとに取り上げる。多くの話に、かつて村々から提出された「国郡志下調書出帳」の該当記事を原文のまま並べ、古い記録と今の語りとを照らし合わせている。

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