ハルニレから造られた人間
どんな伝承か
国造神が人間を造ろうとして、何で造るかを神々に相談した。石で造ればよいという意見が出たが、壊れたときに修繕がきかないから駄目だと反対する神があった。ああでもないこうでもないと散々もめたあげく、ハルニレで造ることに決まった。ハルニレは、世界を造るときに使った鎌を国造神が忘れて天へ帰り、それが変じた木で、そのまま朽ちさせるのは惜しいという理由で選ばれた。曲げても容易に折れず、枝や根を少し切られても枯れないので、これで造れば病もせず、長く生きられるだろうというのであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第1巻』は、叢書『日本伝説大系』のうち北海道と青森県の伝説を収めた巻である。人間の始めやコロポックル、アイヌの神謡、岩木山一代記、おしら祭文、義経や弘法大師の事跡、狐や大蛇の話、地名や神社の由来などを、口承の資料を中心に採る。伝承地を記した例話を冒頭に置き、〔類話〕〔文献〕〔参考〕の欄で各地の類話の梗概と近世以後の文献の原文を添える編み方をとる。