乳神さんと呼ばれた杉の由来
どんな伝承か
大野重一は、死んだのちは雨を降らせようと遺言して世を去り、雨石として祀られた。その妻もまた、自分が死んだら乳の出ない女に乳を授けようと言い残して他界した。そこで遺族は知内の見晴らしのよい場所に葬り、その上に小さな杉を一本植えた。弘長二年のことであったという。杉は年月とともに大樹となり、根元に乳房に似た瘤が二つ出てきたので、村人はいつしかこれを乳神さんと呼ぶようになったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第1巻』所収の「文化叙事伝説」48話(北海道・青森)を収める。各話は伝承地を市町村〜字レベルまで明記し、例話・類話・文献を備える。