まめからたんにゃととげと唱える和尚
どんな伝承か
旧九戸郡種市町、現在の洋野町に伝わる猫檀家の話。昔、和尚が猫をかわいがって飼っていたが、三十年ともに暮らした末に、これからは別々に暮らそうと言うと、猫は鳴いてどこかへ行ってしまった。十日ほどして帰って来た猫は、ある所の旦那が死んで今日が葬式だ、棺を上げてどの和尚が拝んでも下がらぬようにするから、頼まれたら「まめからたんにゃととげ」と唱えれば下がる、と告げた。果たして棺は上がり、和尚二十人が拝んでも下がらない。呼ばれた破れ寺の和尚が三十三回唱えると棺は下がり、和尚は大判小判を賜って寺を建て直し、また猫と暮らしたということである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。