箪笥の煙で鬼になった外道丸
どんな伝承か
砂子塚の城主石瀬善次俊綱は、越後へ流された桃園親王の家臣として寺泊の港に上陸し、のちに砂子塚へ住みついたという。子のない俊綱夫妻が戸隠山に祈ると奥方が身ごもり、三年も胎内にいて異常な男の子が生まれた。外道丸と名づけられ、乱暴が手に負えず十歳で国上寺の稚児に出されると修行に励んだ。弥彦神社への参詣路では、美貌ゆえに沿道の娘たちから恋文を投げ込まれたが、封も切らず箪笥に放り込んでいた。ある日その箪笥から異様な煙が噴き出して悪鬼の姿に変わり、戸隠を経て大江山へ移り酒顚童子と名乗って、源頼光らに討たれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。