神宮寺の鬼女像と宮多良の老樹
どんな伝承か
弥彦の神宮寺の堂内には、弥三郎の祖母という鬼女の木像があり、神垣の内には同じ人の石子という卵形の石が二つある。これは俗説かと問われ、次のように答えている。弥三郎は黒津氏の流れで、代々社頭の鍛冶であった。宮社の造営の折、新宮の棟上げの日取りを工匠と争ったが、弥三郎は非分として工匠の次と裁かれる。これを聞いた祖母は恨み憤って山中に入り、大樹の下で餓死した。その相は怒れる鬼女のようで世人は恐れたが、後裔はその剛情を感じて像に写し崇めた。滝の沢の奥、宮多良の老樹は今は倒れて土に埋もれ、掘れば沢が鳴り山が動くという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。