半人半蛇となって川を越えた清姫
どんな伝承か
和歌山県日高郡南部川村軽井川では、近露のサンハンというところに清姫という娘がいたと伝わる。娘が五、六歳の頃、安珍という山伏が成人したら嫁にもらい受けたいと父親に申し入れた。成人して結婚した後、清姫が髪を結う姿を見て髪がまくれ上がっているのに気づいた安珍は蛇に違いないと思い家を出て逃げた。日高川で渡し守に後から来る女を渡さぬよう頼んで渡り、道成寺の鐘の中に隠れたが、清姫は半人半蛇の姿で川を渡って追いつき、鐘を七巻き半して溶かしてしまった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。