寂しいと訴えて堂に居ついた笠松地蔵
どんな伝承か
高槻市芥川の笠松地蔵堂には、二体の地蔵が並んでいる。座像は江戸中期の笠松地蔵、立像の片袖地蔵は明治半ばごろのものだという。もとは芥川町の茶の木原、いまの四丁目あたりに置かれていた。あるとき芥川の宿屋の主人の夢枕にこの地蔵が現れ、ここは寂しいのでどこかへ連れていってほしいと頼んだ。主人が地蔵を背負ってこの堂まで来ると、地蔵はここがよいと告げてそのまま動かなくなり、以来この場所に据わっているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。