難船を招いた千手観音と寺の移転
どんな伝承か
自光山宝鏡寺には六尺の六観音があり、当国順礼の第十二番にあたる。もとはこの地から十三町ほど上の大檀という所に寺があって、そこには仏師の手になる千手観音がまつられていた。ところがどういうわけか、南海を通る船が難破するようになる。難船のいわれが解せぬと嘆かれ、寛永三年に寺は今の地へ移されたのだと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。