首部の首塚をめぐる諸説
どんな伝承か
首部村に古塚があり、昔から首塚と呼んで、村名もこれによるのかという。記者はその由来を諸説から探っている。寿永の乱で木曽義仲が妹尾太郎兼康を追討したが、首は備中鷺の森に懸けたと源平盛衰記にあるので違うとする。天正年間の毛利と宇喜多の戦でも、首は津島村に葬ったと伝える。建武三年五月に足利直義が備中福山城を落とし、辛川で千三百五十三の首を斬って実検したと太平記にあるから、それではないかとも述べる。また吉備津彦命が逆徒を征伐した首塚とも、日本武尊が穴戸の悪神を討った首塚ともいうが、どれが正しいかは分からないと結んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。