狸を本物の大名行列で欺いた狐
どんな伝承か
昔、江波にお三という悪い狐と、四国の讃岐にお三に負けない悪い狸がいた。ある時、どちらが化けるのが上手いか腕くらべをすることになり、まず狸が草を頭に置いて、きれいな嫁になったり足軽になったりしてみせた。お三は「明後日、国道の松原を大名行列で通ってみるから似合うか見てくれ」と言い、狸も承知して別れた。約束の日、狸が行ってみると立派な行列が通るので、感心して殿様の駕籠へ近づき「よう似合う」と言って本性を現し、警護の士に斬られた。お三は三日前から本物の大名行列を知っていて狸を欺したのだと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。