小石の道で島を出た弁慶
どんな伝承か
陸から五十間ばかり沖に浮かぶ小島がある。古老の伝えるところでは、むかし武蔵坊弁慶は幼いころから悪党の生まれつきであったため、この島へ放り出された。しかし弁慶は並の子どもではなく、袂に小石を入れては運んで陸への道をこしらえ、ついに人里へ帰ったという。島から陸へ続く小石の道筋は今も残っており、そのために里人はこの島を弁慶島と呼ぶ。島には弁慶が両親のために建てたという石塔があり、六地蔵が彫りつけてある。陸への道には二十五間ばかりの切れ目があって、そこは飛び渡ったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。