湊を塞ぐ約束に沈められた姫
どんな伝承か
クシカ鼻から母木の方へ下り、右手の高い砂山を越えると、その下に小さな沼沢がある。昔の池はおおかた埋まり、わずかに残ったところを下女ヶ池という。日光大明神の縁起によれば、この地はもと難波の浦サヨリの湊という大きな湊で、山陰道の海浜往還の道であった。その頃、禁裏で百番の歌合があり、杵築の宮の国造が召された。折しも洪水で舟も筏も通えず、国造は湊に向かい、水神に願いを掛けて第三の息女を差し出すと誓った。すると湊口は塞がり白砂の路となる。帰国した国造が姫を池へ入れると、以後は数十町の大池になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。