時化を告げる天の石笛
どんな伝承か
飯岡の下永井、海津見神社に伝わる話。大しけの明けた朝、源助という男が浜へ出ると、波風の音にまじって澄んだ笛の音が聞こえた。近づくと細長い石があり、人差し指ほどの穴が貫いていた。気にも留めずに漁へ出ると沖で急に荒れ、命からがら戻った。その夜、白装束に白髭の妙見様が枕元に立ち、あれは時化を告げる天の石笛だから、聞いたら漁を休めと告げた。以来、石笛が鳴れば浜は休み、拾えば神酒を供えて三日祭ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。