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塩を舐めて去る戸口の送り狼

所在地山梨県甲州市勝沼町藤井(京戸山)
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典日本伝説大系 第5巻

どんな伝承か

今から百年あまり前、藤井では京戸山の奥はまだ切り開かれず、円常坊の近くから上はくぬぎなどの林であった。そのころ送り狼と呼ばれる山犬が出没して人に恐れられた。京戸山などで薪を取って帰るとき、山犬があとをついてきて、戸口まで来るとそこに座り込み、何かくれるのを待っている。この山犬は塩が大好物で、一握りの塩を皿か紙にのせて出すと、きれいに舐めてからどこへともなく姿を消した。転べば狼に食われるといわれ、山から帰るときは転ばぬよう、うしろを振り向かぬようにして家路をたどったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。

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