安国寺に残る産子女の墓
どんな伝承か
博多のかじ町で老夫婦が飴屋をしていた。そこへ女が毎夜、三文を持って飴を買いに来る。雪の降る夜、爺があとをつけると、女は安国寺の墓所で姿を見失い、そのあたりから赤子の泣き声が聞こえた。爺は坊様とともに赤土まじりの土まんじゅうを掘り起こした。すると、毎夜飴を買いに来ていた女が赤子を抱いたまま死んでいた。爺はその子を育てようとしたが、坊様の読経が終わると、赤子は仏の世界へ入っていったという。安国寺の境内にある岩松院殿禅室妙悦大姉の墓は、その産子女の墓だと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。