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美女の残した竜の鱗と全久院の雨乞い

所在地愛知県豊橋市東田町(全久院)
年代伝承
登場住職/美女(貝鞍の竜)
出典愛知県伝説集

どんな伝承か

豊橋市東田町の全久院には竜の鱗が宝物として伝わり、雨乞いのご神体にもなっている。竜といっても、豊川上流の旧八名村の貝鞍淵に住んでいた蛇の鱗だという。雨乞いでは住職が身を清め、たらいの水にこの鱗を浮かべて血脈に祈り、その血脈を貝鞍淵へ持って行って淵の水をかけると急に雨雲が出て雨になる。誤って血脈を沈めると大洪水になるという。鱗の由来は、世にも美しい女が寺へ血脈を貰いに来て礼に置いていったもので、帰る女の姿が高徳の住職の目には庫裡から山門まで続く大蛇に見えたと伝わる。別の話では、住職が旧千郷村の寺にいたとき血脈を受けに来た美女を貝鞍の竜だと見破り、竜は鱗六枚を残して井戸から淵へ逃げ帰ったともいう。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))

『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。

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