明神崎に祀られた牡丹姫
どんな伝承か
一本柳村の館主浜田大膳安利は子がなく、文珠尊に二十一日の願をかけた。満願の夜、獅子に乗った文珠が牡丹の花で撫でる夢を見、まもなく生まれた娘を牡丹姫と名づけた。成長した姫を竹森村の八館某が望み、二井宿村の館主志田義次は武力で奪おうとしたため、浜田家は防戦の用意をした。姫が祈ると夢に文珠が現れ、二井宿へ嫁して難を逃れよと告げた。姫は志田家に嫁し、三年目に身ごもって二井宿から一本柳へ向かう道すがら、泉岡の明神崎で産気づいて男子を生み、まもなく死んだ。姫を悼んで明神崎に建てた祠が子易明神で、生まれた子が安然大師だと伝える。
原典より
昔、一本柳村に浜田大膳安利という館主がありました。—— 高畠町伝説集(昭和三十二年(1957)刊/高島高校文芸班編) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(昭和三十二年(1957)刊/高島高校文芸班編)
山形県東置賜郡高畠町(屋代・亀岡・和田・二井宿・糠野目・高安・露藤ほか各地区。一部は隣接の米沢市・南陽市宮内・長井市)に伝わる伝説を、神仏/人物/怪異/動物/什物/地物/地名/地誌 の八篇に分類して集成する。屋代神社の鬼女縁起、犬の宮・猫の宮、安久津八幡、狐狸むじなの化かし、天狗・怪物・沼の怪、青葉の笛や応挙の幽霊画、伊達・上杉の城館跡や古戦場、地名由来など、高畠の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を地区つきで網羅する。