屏風に描かれた和田の七不思議
どんな伝承か
中和田の平佐重が和田の七不思議を撰び、六枚屏風をこしらえて絵を描き、和歌を添えた。数えられているのは、駒形山、稲子原山の狐形、大平沢山、哈津不動堂、石森・高打・山崎の三つ森、高房沢の右肩、一念峯の太鼓岩である。駒形山は氷の解ける春の日に勇む駒形が立ち現れると詠み、稲子原山は初雪に位も高い白狐が現れて人がきつね肩と呼ぶといい、大平沢山の奥には天狗が重なるという三つの岩があるとする。高房沢の岩には天女が書いたという文字があり、一念峯では太鼓の鳴る音が和田の沢に響くのを不思議の第一だと詠んでいる。近年同家を訪ねたところ、佐重の死後この屏風は紛失したという。
原典より
中和田の平佐重さんが和田七不思議を撰して、六枚屏風をこしらえて、それに絵を書き、更に和歌を添えました。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))
『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。