鎌倉新仏教の祖師たちと遊行寺
どんな伝承か
著者は鎌倉時代を、貴族仏教に代わって武家の世にふさわしい新しい宗教が生まれた時代として描く。浄土宗の法然は晩年に流罪となり墓まで壊されたが、専修念仏は乱世の庶民に広まった。親鸞は肉食妻帯して戒律を破ることで新たな道を開き、禅は栄西と道元によって宋から伝わって武士に受け入れられた。遊行上人一遍は定住の地を持たず全国を巡り、神奈川県には相模原の当麻山と藤沢の遊行寺という二つの聖地を残したという。それでも郷土史の上では日蓮ほどの足跡を残した宗教家はいないと著者は述べる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の史実と伝説(小森良章・1975年(昭和50年))
『神奈川の史実と伝説』は、新聞記者から県政の仕事に転じた小森良章が昭和五十年に著した郷土史の読み物である。倭建命の東征から鎌倉幕府の滅亡までを範囲に、神奈川県内に残る伝説を十一の篇にまとめ、走水の弟橘姫や足柄山の金太郎などを取り上げる。各篇は伝承地を副題に掲げ、伝説とその背景にある史実を結びつけて語り、古事記や吾妻鏡などの記録を引きながら著者の推測も交えている。