火事を告げた半分黒い鳥居
どんな伝承か
六月十五日の朝、著者は祭っている稲荷に祈っていて、目を閉じたまま半分が黒く塗られた鳥居の映像を十秒ほど見た。目を開けて確かめても朱塗りの鳥居に変わりはなく、もう一度閉じても映像は消えている。不吉な知らせと直感して家族に用心を促したところ、三日後の六月十七日の夜十一時半ごろ、市民ラジオの実験中に火災の交信を傍受した杉本哲から、秋葉原にある著者の店が燃えていると電話が入った。翌日、鎮火した店に入って著者は震えた。被害は右下にはほとんど及ばず、上から左にかけて大きく、あの半分黒い鳥居そのままだったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
四次元世界の謎(内田秀男・1970年(昭和45年))
『四次元世界の謎』は、内田秀男が昭和四十五年に著した超常現象の論考集である。月刊誌『電波技術』に昭和三十八年から四十三年まで「あなたは信じますか」の題で書いた記事を抜き出したもので、魔の踏切、十三日の金曜日、地震予知、お守り札、幽霊写真、虫の知らせなどを、筆者の体験と磁場・電波の実験をもとに論じる。項目ごとに小見出しで区切り、多数の図表と写真を添える。