安徳帝の霊を祀る柳町の風呂の地蔵
どんな伝承か
門司区柳町二丁目一〇には、安徳天皇ゆかりの風呂(不老とも)の井戸、鏡ヶ池がある。そのそばのお堂に、風呂の地蔵がまつられている。寿永四年に壇之浦で平家が滅んだのち、その供養として大里柳村風呂に大専寺が建てられ、境内に風呂の地蔵がまつられたのが始まりという。大専寺は慶長年間に本町へ移ったが、地蔵は風呂の地に残り、昭和十七年に萩尾へ、四十六年に現在地へ移されて、御幼帝の霊をまつっている。毎月二十四日に開扉され、地区の人が参っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。