オシマ田
どんな伝承か
昔、成田市奈土の農家に、おしまという嫁がいた。ある年の春、姑に田植えに行けと言われて出かけたが、空は曇り、今にも雨が降り出しそうであった。雷が鳴る前に済ませようと働いていると、雷が鳴り雨が降り出す。雷はおしまが何より嫌いなもので、恐ろしさに道具を片付けて家へ戻ると、姑は怒って「雷ぐらいで帰ってくるな。もう一度行ってこい」と命じた。仕方なく出かけたおしまは、雷が落ちて死んでしまったのか、そのまま戻らなかった。その後この田をオシマ田と呼ぶようになり、地主が代わっても、オシマ田に田植えに行くと必ず雷が鳴って雨が降るという。
原典より
昔、奈土の農家におしまという嫁がいた。—— 大栄町史 民俗編(大栄町) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大栄町史 民俗編(大栄町)
『大栄町史 民俗編』は、大栄町が編んだ町史の民俗編で、ここには第六章「ことばと生活」第一節「伝説」の部分が収められている。北総台地に位置する町内の各地区に伝わる、源頼朝の鞍掛けの松や城主大須賀氏・伊能氏にまつわる話、弁天様の話、狐・狸・河童・大蛇の話、作男や長者、埋蔵金の話などを収める。伝説は歴史・神仏・動物・人物に関する伝説と「トーカとムジナの話」の五項に分けられ、末項では狐とムジナに化かされた話を箇条書きで並べる。